マンガ『二月の勝者』2巻(8話ー17話)あらすじネタバレ&現役塾講師が語る塾あるある!

中学受験

「中学受験は課金ゲームです。」
なかなか過激な発言の多い『二月の勝者』。
2巻は中学受験の費用についても切り込んでいってます。

高瀬 志帆さん作の二月の勝者は『週刊ビッグコミックスピリッツ』にて、2018年1号から連載中。
2021年4月時点で累計発行部数は130万部を突破。
柳楽優弥の主演で2021年10月ドラマ放送予定。


中学受験専門の塾ではないですが、
中学受験~大学受験まで対応の塾で現役で働いている私が
『二月の勝者』の塾講師あるあるについて教えちゃいます。


では、早速『二月の勝者』2巻についてみていってみましょう。
以下はネタバレ含みますので、まだ読んでないってかたは飛ばして下さいね。

<二月の勝者>
参考文献1巻2巻3巻

第8話 3月の転機

Ωクラストップ、カレンの家。
カレンは昨日12時まで勉強していたようです。

桜花ゼミナールのチラシを見ているママは
「名門校に何人も受かってるじゃない。実績申し分ないわね」
「 その実績嘘じゃないけど、でも、こことこことここも全部一人の実績。
ついでにいうと、このあたりの合格者はテストを受けに来ただけの外部生。
延べ人数みたいにみせてるけど商売上手なだけだよ」と。

塾あるある チラシは誇大広告?

たった1人の優秀な受験生に何校も有名校を受験し合格してもらい、さも、たくさんの人数が合格したかのように見せる手法。
昔からありますね。
肌感覚的には最近は減ってきた傾向ですが、まだやってる塾はありますね・・・。

塾あるある 大学受験に向けての戦略は小学生から

桜花ゼミナール小6保護者会では、「大学受験改革の話」を先に話し始めました。

2020年、大学受験が大きく変わります。(変わりました!)
センター試験にはなかった記述式のテストが国数で導入(これは実際実施されませんでしたね)
英語に関しては今までの読む聞くに加え、書く話すの4技能評価。(これも実施されてません)

現小6のお子様はこの新テスト導入後の世代。
従来よりも思考力や技術力が問われるテストになります。(これはなってます。)

高校3年間だけでこのテスト対策ができるかというと、プレテストを受けた高2の感想は
「今の学校の授業だけではこの問題は解けない」と。

さらにもう一点。
文科省の指示により、難関私立大学合格者数大幅削減

早稲田・明治・青学に至っては2000人越えの削減
地方創生の観点より都市部へ学生流出を抑制するために、学定員超過の大学の補助金カットの基準を厳格化。
名門私立大学なんと1万人越えの削減 。

この改革の波に立ち向かうためには、私立中高6年の一貫教育で変革の準備を。
お子さんの頑張り時は今。
今からの11ヶ月をどう頑張るか、今一度ご一考を。

講師ルームにて。
さくら先生
「思った以上に今の子どもたちを取り巻く環境がシビアだと分かりました」
かつら先生
「年度初めのこの時期、毎年退塾する子多いから。 それから転塾に注意かな」

フェニックスにて。
カレンは面談を受けています。
入塾したら S クラスに入れると言われて、喜んでいます。
最上位クラスは1階入り口付近。

「当塾は災害時の避難経路までも成績の良い順に優遇してますから」と。
何から何まで成績順なのですね~。

第9話 3月の集合

塾講師カップルの結婚式。
肌寒い3月のガーデンウエディング。
受験終わった直後くらいしかまとまった休みが取れないから、あるあるですね。

結婚式の翌日は非常勤講師も含めた会議が開催。
会議参加者は講師の半分だけ。
アルバイトやパートさん含めるとあと8人。
年度初め、初めての会議は生徒の現状を皆と共有

6年受験コース全生徒の資料32名。2月から二人新しい生徒が入塾。

一番下のRクラス
三浦君・・・入塾したてで、まだ慣れてない。
加藤君・・・ 最近モチベーションが上がり、志望校のランクを大幅に上げて取り組み。
石田君・・・油断すると、すぐ隠れてスマホゲーム。本当は最下位だけど特別に席は前めに。
武田君・・・宿題ほぼやりません。声かけをまめに。
今川さん・・・女子の派閥のリーダー。ちょいちょいトラブルを起こす。

「石田くんと今川さん目標が高すぎるので現実的な志望校の設定を次の面接で促してもいいのでは?」 というベテラン講師に「大丈夫です。このままで」と返す黒木先生。

そして、「通塾無しで偏差値40の三浦祐成がすごい」、と他の先生達が褒めます。

塾あるある 中学受験偏差値は高校受験偏差値とはちがう

中学受験の受験勉強は高校大学入試と違って、学校では習わない範囲を4年生からの3年かけて学習する。 いきなり6年から始めて40は意外に取れない。さらに言うと、高校入試は同学年のほぼ全員の成績からの偏差値だけど、中学入試は上位2割の生徒を母体として割り出すから、偏差値50でも実は同学年全体の平均よりずっと上。
偏差値64は数値だけ見ると目指せると思いそうだけど、中学受験偏差値の性質からいってかなり上位の数字。
どこの学校も高校受験偏差値に換算すると、大体10から15ポイント上に出る。

A クラス(偏差値帯50台中心)
上杉君・・・フェニックスから転塾してきた生徒。
柴田さん・・・ 学校では不登校なので、親御さんが偏差値を物差しとしない学校の選び方をしている。
・・・13名。

Ωクラス(優秀者の選抜クラス)
島津君・・・現在トップ。お母様の熱意も今年度のトップ。電話取る回数多いかも
前田さん・・・2番。負けず嫌いで、それが表に出るのでしばしば女子間のトラブルに。
直江さん・・・ご両親が美容師だからか、ファッション大好き。制服のない学校に行きたくて受験を決めた 。
・・・9名。

「オメガの生徒はもともと意識が高く、志望校もせめてますが、問題はAと R。
そろそろ志望校を固める時期。
次の模試までに持ち偏差値より10から15ポイント高い学校を志望校に設定するよう促してください。」
と、黒木先生。

「 志望校上げるとか完全に逆」と反対する講師達ですが、
「生徒のためを思ってやってるという建前に甘えたぬるい雰囲気が昨年の大失敗の全ての元凶」と。

そもそもなぜこの子達は受験に足を踏み入れたのか ?
もしかしたらうちの子あの憧れの学校に届くかしら。
そう思って、大金を払い、時間も犠牲にして入塾した。

だけど、現実は違った。

塾に通うだけでは全く上がらない成績。
なのに、増えてゆく月謝。

そんな時に自分が親だったらどうしますか?

僕なら転塾させます。

この時期、保護者には塾があってないのではという疑念が生まれやすい 。
そして、6年生は年度の途中ではもう受け入れてくれる塾が皆無。今が転塾のラストチャンス。
逆に現状に不満そうで転塾の危険がありそうなご家庭には是非こういってあげてください。

「本当の本音の第一志望校を教えてください 」

もし講師に本当は狙えます、と言われたら震えるほど嬉しいはず。
なら、本音を引き出し、入れそうな学校でなく行きたい学校を受ける。
「お子さんなら狙えます。一緒に目指しませんか?そんな熱い受験をしませんか」と話すのです。

10日後。

オメガクラスの前田カレンさんが10日も塾に来ていません。

第10話 3月のリセット

前田カレンさんが桜花ゼミナールに来ていない。
もしかしたら転塾かも!?

各家庭でも転塾について話しています。
塾に入りさえすれば勝手に成績が上がるわけではない。全員同じように勉強してる。
ここは思い切って個別指導塾に変えようと思うんだけど、マンツーマンで教えてくれる
やっぱり集団塾だとペースが早くて大変だから、個別の方がのんびり屋にはピッタリ。
ちなみに、個別の見積もりは1ヶ月13万円です。(高いですねー!!)

転塾される可能性が高いのが、ちょうど今この時期。
現状に満足していないご家庭が起死回生をかけて打つ最後の一手。
ちょうど新年度が始まる今が転塾に適したタイミング。
夏からは仕上げに入るから、もう受け入れてくれる塾が見つからなくなるっていう事情もある。

転塾は年度変わりが多い?

中学受験生で言えば、小6は基本動きません。
小4小5生はやはり、年度の変わり目、夏期講習前、冬期講習前に転塾される方は確かに多いかもしれませんね。
小6生は基本他の塾が受け入れないので、変わることができないという事情もあります。

木村先生が「今そこで、前田カレンさんがフェニックスのビルに入っていきました。転塾です」と飛び込んできました。
前田カレンさんはフェニックスで旅人算をといてます。
基本的な解き方をするカレンと違い、ダイヤグラムなどを使い、早いスピードでとく周りの生徒たち。 「今までのようにはいかないけど、絶対にトップ取ってやる」と燃えるカレン。

状況を聞いた黒木先生は「ほっておきましょう。しばらく様子見です」と。

1時過ぎに自宅にカレンのママが帰ってきます。
まだ勉強しているカレン。

「フェニックスって桜花よりカリキュラムが先に進んでるみたいで、私だけ理解が甘い単元があるの。その穴埋めしとかなきゃ。集中したいんだからいいでしょ」

髪の毛を抜きながら勉強しています。

塾あるある ストレス性の行動には要注意を

受験生でカレンのように抜毛したり、指をかんだり、皮膚をむしったり、過食や拒食に走る。
ことも生徒のケースとしてあります。ストレス性の行動ですね。

第11話 3月のリスタート

保護者面談中の桜花ゼミナール。
ミーティングで決まった通り、偏差値ポイント上の学校をお勧めし、
「大丈夫です。入れそうな学校ではなく、入りたい学校を受けましょう。今からでも目指せます。一緒に頑張りましょう 」と、黒木先生のやり方通りの面談をしています。

さくら先生は空手道場に。
さくら先生は、元関東大会の覇者だったのですね。

仕事の愚痴を師範に言うと、
「とりあえずは型でいいんじゃない?
空手の型も最初は自分をそこに当てはめて、
自分の動作のクセを武道の動きに近づけるよう調整するとこから始めるだろ?
基本をしっかり体得した後に個性とか自分らしさが生まれるんだ。
だから、今は仕事の面でも型にはめる時期だと思って。
その上司のやり方も経験則に基づいて体得したものだろうし、一旦はその型に自分をはめてみるのもありかも」と。

桜花ゼミナールで、汗びしょびしょのままのさくら先生。
トイレにて、直江さんに会います。
「あんたのせいで私らもいろいろ・・・」と、さくら先生の腕を小突くと。
「何めちゃめちゃ硬いじゃん」
「ああこう見えて、結構筋肉で硬いんだよね。腹パンも全然平気だけどやってみ?」と。

「本当だ!硬い~」と生徒たちが寄ってきて、サンドバッグになるさくら先生。
それを見て、「いいサンドバッグが入りましたね」と黒木先生。

一方、カレンの家では
「いい加減ママの話聞いてくれないかな?
夜はちゃんと寝なさいって言ってるでしょ。無理してない ?」
と、カレンのママはカレンを心配しています。
「子供が勉強したいのに止めるなんて、おかしい。集中したいんだけど。」 と、返すカレン。
床には抜けた髪がいっぱいあります。

質問の列が長蛇なフェニックス。
フェニックスでは、先生がまだカレンの名前も覚えていません。
カレンのママは、フェニックスへ相談に。
「夜も遅くまでやって、疲れもたまってるみたいで。
髪を抜いたりとか。無理のし過ぎかと」と。
「環境も変わったばかりですし、僕の方でも様子は気をつけてみます。
お母様の心配はよくわかります。この先本番までの10ヶ月ある程度の覚悟を。
お嬢さんは新しい環境下で、優秀なライバル達と真剣に戦っています。
ここはお母様もグっとこらえて見守っていただけないでしょうか。
その努力に見合った結果をお嬢さんが手に入れるために」

面談後。
「せっかく本人はやる気なのに、お母様がブレーキかけるパターンか。
もったいないな。お母様には意識改革をして欲しいところだ。
何事もほどほどで大きな成果を得ることはできませんからね」とフェニックスの講師たち。

ふらふらしながら歩くカレン。
通ってはいけないと言われてた繁華街を通っています。

そんなカレンに
「子どもがこんなとこいちゃダメでしょ」
と、話しかけたのは・・・

第12話 3月の邂逅

「こんな時間に、こんなとこいちゃ悪い大人に何されるかわかんないよ?」
話しかけたのは黒木先生でした。

カレンに甘酒を渡します。
「フェニックスなかなかすごいでしょう?
授業もいいけど、テキストが本当にいいんだよ。」

「なんで、甘酒?」

甘酒は飲む点滴ってくらい疲労回復効果があるから。
とりま飲んどけ。ものすごく顔色悪いけど 」

「別に何ともないもん」

「今から飛ばしてると2月までもたないぜ」

「 何であんたまでそんなこと言うわけ?
私がフェニックス行ったの面白くないんでしょ。
みんなと同じこと言わないで」

「みんな・・・そうだよね。
本当にみんななんで「勉強ができる」って特技は、「リレー選手になれた」とか 「学校コンクールでピアノ弾いた」とかと同じ感じて褒めてもらえないんだろうね
クラスで一番足が速い子をみんなが褒めるテンションで、クラスで一番頭がいい子も褒めてくれればいいのに。
クラスで一番逆上がりできた子のように。
運動会で応援団のリーダーをやった子のように。

私を褒めて。
私を見て。


って思うよね」

泣き出すカレン。

「カレンは女王様でしょ。
少なくとも俺にとっては。そして桜花にとっても。
カレンはトップが似合ってる。その他大勢になんてなってほしくない。
もし今その他大勢になってるんだとしたら、そこはカレンに合ってない。
カレンは女王になるところでしか輝けない。オメガの2番目の席まだ開けてるよ。
待ってる。そういや随分前に出した宿題まだもらってない。それもよろしく。」

一週間後の桜花ゼミナール。

カレンはぶっちぎり1位に。

勉強ができることが当たり前に褒められる場所。
できる事を本音で話しても、全然平気な場所。
塾が大好き。


池を見ている黒木先生。
「授業前にここに来る習慣は変わってないんですね」
フェニックスのトップ講師が話しかけます。

「桜花ゼミナールでも相変わらず生徒に値札つけて損得勘定してる感じですか?
でも、正直黒木先生はフェニックスのノウハウ持ち出して独立するのかと思ってました。
実際それで成功してる起業家もいますしね。
いくら積まれたら、6年のサミット1に入れたら黒木先生に教われるって思って、頑張ってきた生徒たちを放って移籍なんかできるんですか?」

「フェニックスは相変わらず上位校にのみこだわった指導してるようだけど、それって12歳のその先の人生のことまで考えてるのかな?」

「愚問ですよ。
小学生が6年間のうちの半分。3年も費やして勉強に励むその大きな無理に見合った結果を出すのが僕たちの使命です」

第13話 3月の相違

黒木先生から作業を頼まれるかつら先生とさくら先生。
3人の成績データを過去半年分、ピックアップ。
そして、そのデータから特に目立った弱点と思われる単元をリストアップ。

「あー、この3人、春期講習の申し込みがまだの生徒ですね。早速まとめます」というかつら先生。

「 この資料どういう風に使うんですか?」と、さくら先生はききます。

「春期講習を受けてもらうためなんだけど」

「春期講習は任意かと思ってたんですが」

「でも、できたら受けてもらわないとね。校舎ノルマもあるから、頭に入れといて。
小学生が春期講座受けなかったら春休みに自宅で勝手に勉強する?
どこの塾も当たり前に長期休暇講習やってる中で、やらないとか受けないとかは生徒が完全に遅れを取るでしょ。マストだからこれ 」

一年の流れを通しての塾のオプションの説明

基本的な授業料 小6私立受験コースオプションなしの基本
週3日 5時から9時半(1日4時間半) 月謝41000円 テキスト代模試代含まない

春期講習(9日間)51000円
4月 模擬試験 5400円
ゴールデンウィーク特訓(5日間) 53000円

授業のない日曜日のオプションとして
前期日曜特訓(夏休み前までの3ヶ月) 6万円

夏学期講習 (25日間)182000円
8月 模擬試験 5400円
勉強合宿(一日中勉強の濃密な6日間) 105000円

秋志望校別特訓 (4ヶ月14回日曜日)108000円
志望校別で志望校の設定がない生徒には
教科別単元別の弱点克服特訓 (4ヶ月14回日曜日)96000円
9月 模擬試験 5400円
10月 模擬試験 5400円
11月 模擬試験 5400円
12月 模擬試験(最終)5400円

冬期講習(7日間)77000円
正月特訓 (4日間) 45000円

大体平均として
受験学年の通常授業料年間492000円
オプション総額777000円

桜花ゼミナールでマストな授業を全て受けると
年間で1269000円  模試代テキスト代は含めない

「親御さんはこれを知った上で入塾してるんだろうか」と、疑問に思うさくら先生。


R クラスの武田くんのお家では、春期講習について夫婦が話し合っています。
ゲームをしながら話す父と真剣な母。

春期とゴールデンウィーク特訓合わせて10万円。
春休みに旅行を行くお金を塾代に回すという話になりましたが、もめています。

「塾に年間130万円くらいはかかるってわかったけど、
どんだけ息子に見込みがあるわけ?
必ずどっかに受かるの?
130万に見合う結果になるわけ?落ちたらこの130万誰が責任取るの?」
と、追い込む武田父。

桜花ゼミナールには武田君のお母様から「やっぱり春期講習は受けない」という連絡が。

「ご夫婦で意見が合わないようで、お母様がものすごく疲れている」
という報告に、 黒木先生は
「なるほど では武田夫妻の地雷を遠慮なく踏みつけて爆発させましょう」 と。

第14話 3月の不協和音

コスメカウンターで働く武田母。
大卒の店長よりも有能なのに出世は遅い。
学歴で可能性が狭まるってのは紛れもない事実 。
万事が万事なんとなく受け入れてスルーすれば問題なくおさまるものだし、事なきを得る。

武田父に塾の面談について話すと、
「平日なんて行けるわけないじゃん。お前の仕事みたいに代わりがきくわけじゃないからさ」と。
感情を押し殺して日々を平穏に過ごす武田母。

桜花ゼミナールでの面談はかつら先生が担当。
最初に武田くんの頑張りを褒めます。
その後に、問題点の指摘を。

「現時点で基礎の積み上げができてません。
なので、今最優先すべきは基礎固め。
基礎中の基礎を慌てずにしっかりこなすだけで10点アップ。
偏差値なら1から3ポイントアップ。

現時点で 後半の難しい問題はできている必要はない。
焦らずに基礎を固めるだけで成績が確実にアップします。
ただし通常の授業ではカリキュラムがあり戻ってやり直す時間もなかなか取れない。
春期講習では振り返りや補強も同時に行うので、得点力が身に付きますよ。いかがですか?」

武田母は「本当に申し訳ないのですが、うちはパパが反対してて」

かつら先生はパパの反対の理由を聞きます。

「反対というよりは、会話にならないと言った方がいいかも。
私たちの顔よりも携帯の画面見てるほうが長いかも」と。

「見える。見えます。手に取るように武田くんのお父様が。
成績や課題の進捗で一喜一憂するお母様の陰で。
こっそり携帯でゲームをさせ、甘く囁く。
これは息抜きだから大丈夫。ママには内緒だぞ

「当たってますーーー!!!!」

「毎年必ずこのタイプのご家庭がいらっしゃいますから。

でも、経験上、ご夫婦の意見が一致してないと中学受験は失敗します。

もちろんまるっきり合致なんてありえません。
相違のすり合わせは常日頃から話し合って、少しずつやっていけばいいんです。

しかし、お子さんの前では受験を応援しているというスタンスだけは統一してください。
親の言うことがお互いまるっきり正反対じゃ、子供が混乱します。

もしあまり話し合いもされないままにこの先進めたら、11ヶ月後にしたり顔でいわれますよ。

『ほら俺が言った通り!こいつはそんなに頭いいわけなかっただろ』 」と。

面談の後、さくら先生はかつら先生に「家庭円満の方が受験にはいいんじゃないかと思うんですが」とききますが、かつら先生は「ああいうタイプの夫婦は1度ぶっ壊ればいいのよ」と返します。

塾あるある 夫婦の意見が統一してないと受験は失敗する

これは事実です。
夫婦の意見は子どもの前だけでもいいので、統一してください。
まだ小学生。相互の意見に振り回されるのです。
中学受験をすると決めたなら、中学受験を応援するというスタンスで共通認識をもちましょう。

第15話 3月の不一致

「ああいうタイプの夫婦は1度ぶっ壊れればいいのよ」
かつら先生の言葉が気になるさくら先生。

武田母はやっぱり春期講習を受けさせたいと思い始めています。
「基礎の基礎を固めるだけで、思ったより成績上がるんだな」
帰ってきた武田父に話をしようとしますが、スマホゲームに夢中で話ができません。

「本当に続けるつもりなの?
見込みなさそうなのに、こんなに金かけるなんて。ギャンブルじゃあるまいし」

そんな武田父に対し、

「あなたのスマホゲームのキャラ相当見込みがあるんだね」と返します。
(父、課金してるのですね・・・)

「無料体験かなんかでママ友に誘われて気楽に塾に行き、サッカーやめた代わりにいいとか。
なのに、ちょっとずつ月謝が上がってきて。
引くに引けなくなったところで、さらにオプションの勧誘されるとか。
こんなの新手の詐欺。もうこのへんで撤退すればいい。鴨だよ。資本主義の奴隷って言うんだぜ 」

「へぇー。最初は無料で後からどんどんって展開。
誰かのやってるアレに似てるよねー。

ふざけんなっ!!

何がいいカモだ。あんたこそ画面のキャラに課金してんじゃねーよ。

子どもに課金してクソ強いキャラに育てようとして何が悪い。
勇人ににどんな敵でもラスボスでも倒せるくそつえー武器持たせたいんだよ。
そのためなら課金ゲー上等!!


130万円は私が全て払いますので、「責任」は全て私が持ちます。それでよろしいでしょうか」

武田くんのお父様が桜花ゼミナールへ春期講習申込書を届けに来ました。

「嫁が塾代のために昇給目指したくて、店長を目指すって言い出しまして。
そんな方面で張り切られても、余計家のこととかできなくなるし、困りものですよね。

それにあいつ息子の受験のこと課金ゲーなんて言いやがって」

そこに武田くんがやってきます。
「最近うちの両親すごい喧嘩すんだよ 」と友達に話しているのをきき、心配になったさくら先生は黒木先生に相談します。

「課金ゲー?面白いですね。その通り過ぎて。
6年生全員というノルマが達成しました。
さくら先生、ソーシャルゲームって仮想の敵がいた方が燃えてませんか?
より射幸心を煽った方が課金してでも勝ちたいって気が起こりますよね」

「黒木先生それでも教育者なんですか?」 怒るさくら先生。

「私は一度も教育者と名乗った覚えはありませんよ」

「塾講師は何なんですか 」

「さくら先生勘違いしないでくださいね。
塾講師は教育者ではなくサービス業ですよ」

塾あるある 塾講師はサービス業

塾講師はサービス業である。
営業をして、お客様の成果をだし、満足していただいてはじめて仕事をしたと言えるのだ。
これ、私の勤務先は研修でやります・・・

第16話 3月の慟哭

塾講師はサービス業。

「桜花ゼミナールに所属する以上サービス業に徹してください。」

「なぜ?確かに合格を目指すからにはそれに徹しなければなりませんが」

憤るさくら先生に答える黒木先生。

「例えば、ある目的地に向かうために電車を利用するとしましょう。

この場合の目的地は最終学歴としての大学です。
目的地は大学以外でもあるだろうという意見はここでは触れません。

例えば、すべて公的な教育機関のみで目的地に向かうとしましょう。
仮にこのルートを在来線普通列車の旅とします。
普通列車でも素晴らしい景色の目的地に着くことは可能です。
公立中・公立高から東大・旧帝大・早慶みたいな話がありますが、これですね。

真面目にコツコツできるタイプやもともと地頭がいいタイプは、目的地に確実に着くことに意味を見出しさえすれば、どのルートをとったとしても成功するでしょう。

しかし、果たしてみんながそんな風にうまくいくでしょうか?

おっとりした子。
周りの友達の影響を受けやすい子。
外の景色をぼんやり眺めたり、楽しそうな街に降りてみようかと盛り上がったり、途中下車してしまいかねない可能性も。

そこで、我が子をなるべく確実に目的地に着かせたい親御さんは、特急券を買い求めます。
つまり、私立中学への進学中学受験は特急券です。

我々は特急券を買うお手伝いをするだけです。
しかし、この特急券ただ買うだけでは意味がありません。
自由席では確実に席に座れるとは限りませんよね。そうすると、指定席券がいりますね。
さらに快適を求めると、グリーン席が欲しくなります。

もうここまでで察しがつくと思いますが、このシステムはお金をかけたものが圧倒的有利。

こんなシステムで成り立ってる職業のどこが教育者ですか?
我々はいわば、指定席券を売る業者。
綺麗事を並べたて券を買わせずに、わざわざ生徒を自由席の列に並ばせるおつもりですか?

散々並んで待たせた挙句、席も取れないかもしれないんですよ。
それなら、お金を払わせましょうと言ってるのです。

中学受験をする家庭、全員が全員席を確保するのに必死です。
自由席で並んでも席を確保できた運や地頭のいい特殊な子どもの話を聞いて、参考にしても駄目なんです。
ここで指定席券を買うことに躊躇するようでは駄目なんです。

絶対に合格させるためにはその覚悟を持たないといけない」

と、黒木先生。

「黒木先生の持論に子どもの意思って入ってますか?」

「 今の話に必要ですか?」

「 必要も何も徹頭徹尾、子供が主役の話じゃないんですか?
なのに、いつも思い通り事を運ばせるために家庭を不安にさせたり、引っ掻き回したり。
ご自分の立場や面子が一番ですか?

肝心の子どもの気持ちは二の次ですか?

気持ちを押し殺してるかもしれないことに気がつかなきゃいけないのに。
いつのまにか都合よく本人の意思だと思い込んで、大人のいいようにコントロールして。
子供主体で物事を考えられなくなったら、大人は簡単に子供を潰してしまいますよ」

「まるで子どもをつぶしたことがあるような口ぶりですね。
あなたにどんな事情があれ、ここは大人の都合で成り立っている場所です。

そして、私のやり方が受け入れられないのであれば、ここを出て行ってくださっても構いませんよ」

第17話 3月の変化

桜花ゼミナール。
次の日、さくら先生はいつも通り塾に行きます。

今日のミーティングの議題は4月の模試対策。
先月までは大手塾渋谷大崎の模擬テストを全生徒この校舎で行ってましたが、4月からはいよいよ本番を想定して、志望校の合格判定の出る外部模擬試験を受けていきます。

塾あるある 模擬試験ってなに?

模擬試験はその名の通り、本番さながらの環境でテストを受けることにより「合格判定が出る」のといわゆる「試験慣れ」ができる試験

6年生になってから受ける外部模試は、実際に試験を行う私立中学の校舎で、本番に近い時間帯・時間割でのテストが行われます。テストの結果で志望校の合格判定がA 判定80%から D 判定30%未満まで詳しく算出さる。

模擬試験は数々の団体で行われてますが、
基礎から難問まで幅広く出題する渋谷大崎の合格不合格判定テスト。
(四谷大塚・合不合判定テスト)
毎日県の全国統一模試。
(日能研・全国公開模試)
基礎問題中心で受験志望校者向けの帝都模試センターの帝都圏模試。
(首都圏模試センター・統一合判)
最難関校を目指す生徒には、問題も難問ぞろいのフェニックスオープンテスト。
(サピックス・サピックスオープン)

()内は作中の模試を実際の模試名に変えてます。

この4つが受験者数も多く、合格判定の精度が高いと言われてます。
各テスト4月から12月まで、大体7回前後行われます。
使い分けが必要なので、

オメガクラスは最難関校志望⇒フェニックスオープン。
それ以外⇒ 合格不合格判定テスト。
A クラスは難関校志望⇒合格不合格判定テスト
中堅校志望⇒帝都圏模試
R クラス全員⇒帝都圏模試

フェニックスオープンは難問ばかりの上に受験者層がハイレベルなので、最難関校志望者のみに限定。 渋谷大崎と毎日県のテストは難度や偏差値の出方が似ているので、桜花は渋谷大崎に絞ることに。

模試によって問題の難易度や受ける生徒の実力に違いがあるため、自信を失ったり。
逆に安心したりしないよう実力に合った試験を選ぶことが大事。

同じ学校の偏差値が模試によっては20ポイント以上違うケースもある。
(例えば、A校の偏差値がフェニックス模試35・渋谷大崎模試50・帝都圏模試58)

ミーティングの本題。
春期講習及び4月の最重要課題は「4月の模試までの算数の底上げ」。

算数を制するものは中学受験を制す。

理由は1問に対する配点が高いから。
帝都圏模試では計算問題でも1問5点。

「算数の偏差値を全生徒必ずアップさせてください」という黒木先生。

「さて、そこでさくら先生。成績的に問題児ばかりのRクラス。
高額な季節講習の価格設定に心を痛めてましたけど、その金額に見合うだけの授業プランを立てておいでですか?」
「 はい、私なりに考えてみました。
まずクラス全体の傾向ですが、計算が雑です!(低偏差値あるある)
それと、計算の答えを答案用紙に書き写す際の転記ミスも目立ちます。(あるある。泣)

個別の話をしますと、男子はセンスはあるのですが、一行問題の正答率が低い傾向があります。
これはそもそも文章を読むのが嫌い。国語が苦手なことと相関関係があるかも。
しかし、図形問題は基礎なら取れる。
逆に女子では、図形が苦手な傾向。でも、一行問題が得意かと言うと単元にばらつきがある。
10人各自ウィークポイントが違うので、弱点をそれぞれが克服できるようオーダーメイドの課題を作って、きめ細かく見たいと思います」

「30点。
オーダーメイドはまず現実味がない。毎日サービス残業の嵐になる。
桜花ゼミナールをブラック企業にする気ですか。
もっとものすごくシンプルに偏差値40の生徒を偏差値50まで上げる方法があります.
今回は特に武田くん、彼はこの方法がテキメンだと思いますよ」

どんな方法か気になるーってところで2巻は終わりです。

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