マンガ『二月の勝者』1巻(1話ー7話)あらすじネタバレ&現役塾講師が語る塾あるある!

中学受験

「受験塾は子供の将来を売る場所です。」
なかなかセンセーショナルなうたい文句がついている
中学受験塾を舞台としたマンガ『二月の勝者』。

高瀬 志帆さん作の二月の勝者は『週刊ビッグコミックスピリッツ』にて、2018年1号から連載中。
2021年4月時点で累計発行部数は130万部を突破。
柳楽優弥の主演で2021年10月ドラマ放送予定です。

中学受験を考えたかたは一度は目にしたことがあるマンガなのではないでしょうか?

もちろん塾講師の私も全巻もってます。

中学受験専門の塾ではないですが、
中学受験~大学受験まで対応の塾で現役で働いている私が
『二月の勝者』の塾講師あるあるについて教えちゃいます。

<二月の勝者>
参考文献1巻2巻3巻

第1話 2月の挑戦


君たちが合格できたのは 「父親の経済力」 そして 「母親の狂気」 。
最大手中学受験塾フェニックスの黒木蔵人の言葉で始まる第一話。
(マンガのフェニックスは現在、中学受験で一人勝ち中のサピックスをモデルにしてるのだと思われます)

桜花ゼミナールで研修中の主人公、佐倉麻衣は東京受験初日前夜の教室に来ています。

塾あるある① 合格はとことんダジャレに絡める


五角形のえんぴつに消しゴム。
そして、必勝のはちまき。

「 テレビで見るやつだ~」と佐倉は引きます。
受験業界はダジャレ好きのおっさんのノリというのはありますね。
そして、子どもたちはこのダジャレ系グッズが意外と好きです。

「キットカツ」や「きっとうカール」なんかのお菓子などもありますもんね。

塾あるある② 差し入れには困らない

塾での激励会の後は保護者からの差し入れのカツサンドをいただく佐倉。

塾はたしかに差し入れには困らない業界です。
受験前受験後の1~3月は保護者様からの差し入れやお礼品がたくさん来ます 。

桂先生の塾業界あるある「夜遅くに食べるゆえに太る」は塾講師はどきっとするのでは。
クリーム系など、その日のうちに食べなきゃいけない差し入れを夜22時過ぎにみんなで食べるなんてこともあったりしますからね。
普段の食生活を気をつけて、体を鍛えることで太らないよう努力してる講師はたくさんいます(笑)

塾あるある③ 中学受験第一志望に受からないのは30%!?

中学受験生のうち第一志望に受からないのは何割でしょうか?

なんと7割=70%

7割は受かりません。
なぜならば、みんな持ち偏差値よりも上を狙うから当然なのです。

全国の小学6年生の数はだいたい110万人。
そのうち東京都だけでだいたい10万人。

都内で中学受験をする児童は約25000人。
(小学6年生の4人に1人ですね)

そして東京の私立中学校は188校。
そのうち御三家男女合わせて合計6校。
同等クラス&準御三家クラス&トップ大学附属校合わせて約20校。

なのでいわゆるトップ校に受かる人数は大雑把に見て受験生の1割のみ。
しかもトップ校の合格者の約6割が漫画で言えばフェニックス小学部の生徒。
(リアル現実にはサピックスでしょう。)

ただ一つの塾だけでなぜそんなに受かるかというと、一部の出来のいい子中心にして下はバッサリ切る授業内容だから。
優秀な子だけを対象にしてるのです。


さて、先生達がミーティングに入り、さくら先生一人になった塾に木下君という生徒が過去問の質問に来ました。
質問に答え、「先生、ありがとう」っていう言葉を貰い、さくらはだんだん講師としての自覚が芽生えてきます。

翌日クラスでは塾トップの松村が大泣きしています。
緊張しすぎて行きの電車で吐き、体調が戻らなくて保健室受験になってしまったのです。
ちなみに女子トップの森さんも保健室受験。

「もうダメだ。全落ちだよ」と、嘆く松村くんに教室長は
「大丈夫。大丈夫だよ。誰より自分と向き合った君が合格を手に出来ないはずがない」と励まします。

中学受験3日目、さくら先生は質問に答えた木下君の応援に行くことになります。
雪の中、入試会場にはもうすでにフェニックスの塾の講師が1人立っています。

受験会場にやってきた木下くん。
さくら先生の顔を見るなり「湿度の求め方って、どうやるんだっけ?」と質問してきますが、さくら先生は理科は自信がなく答えられません。
その時、横に立っていたフェニックスの講師が答えてくれました。
「その空気1m^3に含まれる水蒸気の量÷同じ気温での飽和水蒸気量×100」

さくら先生は無力を感じます。

本部研修を全て終え、佐倉麻衣は桜花ゼミナールに。
杉山校長は合格実績が悪かったために飛ばされてしまっています。
吉祥寺校に代わりに配属された校舎長は入試の時にいたフェニックスの講師、黒木蔵人でした。

この日は午後から統一合格判定テスト。

統一合格判定とは合格判定の出る公開模試のこと。
新6年生にとっては1回目の模試。
他の塾生や通塾していない子、誰でも受けられるオープンテスト。
小6の4月という時はそろそろ偏差値という現実を直視しなくてはならない時期 。

さくら先生は黒木先生の試験監督の補佐に入ります。
さくら先生は入試の朝の時の黒木先生が「雪の中、傘もささずに応援って、すごかった」と伝えますが、 黒木先生は「仕事ですから当たり前です」ときょとんとします 。

塾あるある④ オープン模試は新規入塾チャンス

6年生の生徒が一年間に塾に落とす金額は平均150万円。
フェニックス生なら200万円。
(地方ならもう少しお安いです)

それを考えるなら、雪をかぶるくらいやぶさかではない 。
受験塾は「子供の将来」を売る場所です。
オープンテストは新規顧客獲得のチャンス金脈を取りに行きますよ、と黒木はさくらに声をかけます。

塾講師として、オープン模試は正直、お客様獲得の営業の場です。
間違いありません。
いかにこの塾良さそうだなーと思わせるか、こちらも考えて動いているのは事実です。
黒木先生ほどあからさまにはいいませんけどね。

教室に入った黒木先生は「 君たち全員を第一志望校に合格させるためにやってきた黒木蔵人です」と挨拶して1話は終わります。

第2話 2月の初陣

「君たちを全員合格志望校に合格させるために来た黒木蔵人です」

そんな黒木に
「第一志望校に受からせるって言っちゃっていいんですか?
全員受かるワケないですよね。いい加減な事言う大人って信用できないんですけど」
と、内部生の島津くんが反応します。

黒木先生に逆に質問されます。
「第一志望校に受からない人が一人以上いる確率は割合で言うと何割もしくは何パーセントですか?100%と言い切れる事象は思いのほか存在しない。
あえていえば、君も私も生物として死ぬという事象に関しては100%と言えるかもしれません。
しかし、医学の進歩で不死の方法が見つかる可能性もゼロではない。
その事象が本当に100%なのかは誰にも実証できないなので、君たちは全員志望校に受からないという可能性も100%とは言えない」

生徒たちは「なんか受かる気してきた」と納得しています。
そんな中、「理屈っぽい男はモテないよー」と返す前田花恋さん。

「では、 今の私の話をモテそうな言い方になるよう考えてください。 宿題です」
と返す黒木。
テスト開始5分前になり、各自準備に入ります。

勉強法 シャーペンを辞めると偏差値が1あがる?

シャーペンとシャーペンを回すという2点。
今すぐ辞めたほうがいい。
やめたら偏差値1ポイント上がる

なぜならシャーペン回しを失敗して落とすと、当然中の芯が割れる。
問題を解いていて芯が切れると、集中力も低下する。
実は鉛筆の方が合理的。
鉛筆は削ったものを何本も用意してゴムで束ねておくと転がりにくく落ちません。

これは特に小学生には私も鉛筆をおすすめします。

テストが始まります。
テストを回収する時に、佐倉先生はあることに気がつきます。
ほとんどの子が半分も埋められていないのです。

塾あるある⑤ 模試は半分もうめてない

中学受験の模試は、学校のテストと違い、学校で100点を取れている子でもいきなりこの模試を受けて20点取れるかどうかというレベルです。

全部埋まっているとしたら、ごくごく一部の上位層か、でたらめを書いてるかのどちらか。

春先の模試ならなおのこと、全部答案をうめてくる生徒は少ないです。
なんせ難易度も高く、時間配分もできていないので、なかなか全部に目を通すということがまずムズカシイのです。


黒木先生の今回のオープン模試の目的は
スポンサーである親に第一志望に受からせてくれるという言葉が伝わることが重要だ、と。
今回のテストは外部生が5名受験。うち体験授業2名申し込み。
一名はフェニックスからの転塾検討中。
もう一名は通塾なし。

「この時期の新規塾生は金脈。絶対に獲得しましょう。」 と

模試の結果は一週間後。その時の面談にさくら先生も研修として同席することになりました。

一週間後、通塾歴なしの佑星くんの面談。
学校のテストで満点な子が偏差値40という結果に。
お父さんは受験には反対。
小6の伸び盛りにサッカー中断させるのはよくない、と。

そんな受験に反対のお父さんに黒木先生は
「おっしゃるとおり佑星さんは平凡な子です。平凡な凡人こそ中学受験をすべきなんです。」と返します。

第3話 2月の決断

凡人こそ中学受験をすべきとはどういうことなのでしょうか

「今、現在サッカーチームに入られてるということはプロを目指すことも視野にいれてるのか?」ときく黒木先生。
お父さんは「可能性がないことはない」と。

では、と体験授業中の佑星くんと黒木は屋上でサッカーのリフティング対決をすることに。
黒木先生に勝ったら、今まで通りサッカー三昧の毎日が送れます。
通常リフティングで長く続けられた方が勝ち。

あまり乗り気ではなさそうな佑星くんですが、リフティング勝負をすることに。
すると、先に流星くんがミスをしてしまいました。
顔色がさっと変わるお父さんに「ごめんなさい、パパ」と謝ります。

「3分。よく粘りましたね。
君がサッカーを通して根気を身につけた様子がわかりました」と黒木先生は褒めます。
「教室に戻って授業の続きを受けて行って下さい」と佑星くんにいいます。
「 いつもはもっとできる」と返す父に、「 平凡ですね」と言う黒木。
サッカーで、プロを目指すどうこうの実力ではない、と。

凡人こそ中学受験すべき、とは?

全国のサッカー競技人口は高校生・大学生・ J ユース所属の最高学年合わせて約58000人。
日本で毎年プロサッカー選手になるのは J 1と J 2、 J 3合わせて約120人。

よって、プロサッカー選手になれる確率約0.12%

一方、中学受験。
首都圏1都3県受験者数およそ52000人。
最難関東京男女御三家募集定員1340人。

御三家に受かる可能性2.58%
憧れの難関校くらいまで入れると、10%弱

スポーツや芸術、音楽と才能がものをいう分野は本当に厳しい。
勉強の方が努力のリターンをえやすい。

以上が、「凡人にこそ中学受験」の理由です。

「そんなのは机上の空論。高校受験で、都立の強豪校を目指せばいいんだ」という父に、
「そもそもなぜ小6でサッカーの中断はしたくないのに、高校入試のために中3で中断するのはOK なんですか?」と聞く黒木。

「小6で受験し、中高一貫校に入ったら15歳の伸び盛りに部活中断することなく打ち込める。
大学附属ならさらに18歳での中断も無しなのに、なぜ小6という時期に拘るのか?」

「それは子供のうちは子供らしく、思いっきり体を動かしたりチームワークを学んだり・・・」
と返す父に。

「さあ、今が決断の時。
この桜花ゼミナールでお子さんの未来の為に共にがんばりましょう」

結局、入塾せずに家に帰ってしまった佑星くん家族。

お父さんが少年コーチで、お母さんが受験派は大体意見が合いません。
母親が教育の主導権を握っていても、実際の ATMである父親の心をゆさぶらないとお金の引き出しはできないという黒木。

佑星くんは「あの塾だからいい」と桜花ゼミナールへの入塾を決めています。

「解こうと粘ったのがよく分かる答案。
スポーツか何か、長い期間取り組んできたものがあるのでしょう。
粘って頑張った経験のある子は受験でも強いですよ」という模試後の黒木の一言がすごく嬉しい励みになっていたようです。

一言が生徒の心に響くことってあるんですよね。
なかなかそんな瞬間が忘れられなくて、講師を続けてしまっている部分もありますもん。

第4話 2月の事情

塾の新学期は2月から。

6年の受験は2月頭に終わるので、学校よりも2ヶ月早く新学期のカリキュラムがスタートする。
小5生の2月は実はもう入試まで1年を切っている。

フェニックス小学部では、この先1年間のガイドラインを説明する保護者会が開かれていました。
東京神奈川以外の地域での入試はほとんどが1月実施。
東京はほとんどの学校が2月1日に試験を実施。

一部の難関校以外は複数回の入試を行うので、何回かチャンスはありますが、それも2月4日にはほとんどの試験は終了 。

東京・吉祥寺、桜花ゼミナールでは成績でクラスと席順が決まるクラス分けの発表が貼りだされています。
Ω・ A・R の3クラス。
クラス替えの基準は今回から模試で一点でも足りないとクラス落ちに。

さくら先生は新学期から新小6 R クラスの算数を担当することに。
「気負わずにカリキュラム通り進めていけば OK 」という黒木先生。

中学受験生の高い要求に応えなくてはと気合を入れるさくら先生ですが、教室では生徒たちが机の上に漫画を広げて、ゆるい空気です。
黒板に書いている間、背中を向けて振り返ると、さささささっと動く子どもたち。
まるでだるまさんが転んだみたいです。

緊張感のない生徒たちに、小テストを実施するさくら先生。
小テストが白紙で明らかに授業についていけてない子もいます。

「授業中はとりあえず生徒に背中を見せないこと」、と桂先生から指導を受けるさくら先生。
「R クラスはお客さんだから気合を入れなくていい。先日の模試の答案これに目を通しておいてください」という黒木先生。

そんな中、 R クラスの加藤タクミくんのお母さんがお弁当を届けに来ました。
「うちの子本当におっとりしてて、勉強も競争も得意じゃないし、好きなことしか興味ない。
本当に中学受験にも向いていない。お家で家族と夕飯も食べられない生活させてまで受験勉強させるのもどうなんだろうって ・・・」と話すお母さん。

中学受験のきっかけは、上のお兄ちゃんが2月1日学校に登校したら教室に誰もいなかったこと。
クラスの1/3が受験で休みなんて知らなかったこと・・・。
(地域によっては半分お休みなんてこともあったりします。)

第5話 3月の共感者

さくら先生は友達に会ってます。

「勉強が苦手な子まで受験するのって正直どうなんだろう?
自分たちみたいに、公立中から公立高に進んでも何とかなったし、
何も小学校から辛い思いをしなくても。」

というさくら先生に友達は
「うちらの母校とかも完全中高一貫になってるから、今は高校からは入れないよ」
と、教えられます。

塾あるある⑥ 高校の選択肢は減少している

高校募集をやめた学校は増えています。
御三家だって高校から入れるのは男女6校中、開成の一校のみ。

私立だけじゃなく、公立の中高一貫校は首都圏に22校もある。

全国の公立中高一貫校は

完全中高一貫校 31校
併設型 83校
連携型 80校

合計194校
(マンガ内のデータによる)

首都圏だけじゃなく地方も公立中高一貫化が進んでいる。
私立も伝統名門校ほど高校募集を止めている。
今の子達は実は、選択肢がどんどん少なくなっているのです。

さくら先生はかつら先生に「勉強が分からない子の対応の仕方」を相談します。

「ノートは見てる?
解く過程を見るとどこでつまずいているかが分かることもあるけど、もしかしたらさかのぼって見た方がいいかも」
と、かつら先生はアドバイスをします。

塾あるある⑦ ノートをみれば理解度がわかる

ノートや模試の問題用紙を見ると理解度がわかる、ということは確かにあります。
ノートはいろんな情報を講師に伝えてくれるのです。

ノートについて語り出したらとまらないので、よかったらこちらをどうぞ↓

慌てて塾に戻って、黒木先生に言われていた模試の答案を確認しようとしたさくら先生ですが、そこには黒木先生が。

「 R というお客さんに一生懸命になるなと言いましたよね。
どうして分からないんですか?
お客さんとは塾業界のウラ用語。
とりあえず通って授業料さえ落としてくれればいいという生徒のこと。
塾は営利目的の企業だから経営努力という点で、優秀な生徒に注力して合格実績を稼いでもらわなくてはならない。
顧客が実績を見てやってくるのだから、当然のこと。
上位校合格の見込みのない生徒には、夢を見させ続け、生かさず殺さず、お金をコンスタントに入れるお客さんとして楽しくお勉強させてください」
という黒木先生。
(地方の私が勤める塾には、お客さんって扱いはありません。)

「黒木先生には勉強ができない人の気持ちがわからないんですね 」
と、感情をあらわにするさくら先生。

次の日。
生徒一人一人のノートを見回りながら授業をするさくら先生。
「計算の過程も消さずに残してね。
そしたらどこでミスしたらか分かるし、先生きっちり見て直すから、ノートどんどん見せに来てね」と。
加藤君には個別に
「今日のノート見せてね。
それと何か困ったことないと?何かあったら言ってね。
自習する時に声かけてくれれば、先生時間あるときはマンツーマンで見てあげられるから」と声をかけます。

2日後、加藤くんが塾に行きたがらない、という電話がかかってきました。

第6話 3月の撤退

「塾に行きたがらない」という加藤君と黒木先生が直接電話で話します。
なんとか塾にくる加藤くん。

黒木先生はさくら先生に念押しします。
「 Rクラスには一生懸命になるな、と。 今日はRクラスの授業を外れてください」
ショックを受けるさくら先生。

さらに、ちょうど廊下でΩクラスの女子たちが話しているのを聞いてしまいます。
「マンツーマンで見るよとか言っちゃってさ。
それってひいきじゃん。こっちはいつも質問は順番待ちしてんのに。
だから、あの男子に言っちゃったよ。落ちこぼれダッサーって」
さくら先生に気づく女子たちですが、
「いいよ。別に。
むしろ、きけって感じ。なんのために塾きてんのさ。
落ちこぼれのレベルに合わせるのなんか学校だけで十分だよ 」と。

教室の片付けをかつら先生にお願いされるさくら先生。
桜花ゼミナールはクラスだけじゃなく、席まで成績順。
加藤君の席は一番後ろ。

自分の前は自分より成績の良い子ばっかり。
いろんな思いを抱えながらこの席に座ってたのに・・・。
さくら先生は机に電車が通る時刻の落書きがしてあることに気づきます。

そして、講師ルームに戻ると、加藤君から「塾を辞めたい」という電話が来ました。
「やめさせるわけにはいかない。
6年生はこれからが稼ぎどき」という黒木先生。

そんな黒木先生にさくら先生は
「引き止めなきゃいけないのですか?
勉強無理にするより、好きなことを思いっきりやった方が。
加藤君鉄道好きなんです」という。

「なるほど、いけそうですね。
他に好きなことがある子ほど、受験をやめなくていいんですよ」という黒木先生

第7話 3月の進退

「ダメだと思うね。十中八九やめるパターンでしょ」と、噂する先生たち。

加藤君のお母さんは
「本人がもうこの調子ですし。私もこの子が苦しんでるのみたくなくて。
受験やめたいと思います」と。

さくら先生はどうしても同席したく、一言も喋らないと約束して同席します。

「お母さまの気持ちはわかりました。
肝心のたくみ君ですが、君の気持ちを聞いていいですか?これからどうしたいのか?」

「自分の時間が欲しい」
黒木先生の質問に答える加藤たくみくん。

「6年生は授業が3日ですけど、たくみくんは日曜特訓も入ってますし。
自習も入れると週5は来ている。
たくみ君は自分の時間が持てたら何がしたいですか?」

「YouTubeがみたい・・・」

「みたい動画があるんですか?もしかしてこういうのですか?」
と、黒木先生は電車の動画を見せます。

京王線の公式動画。
その次は、N ゲージのジオラマ 。

「それを作っているの中学生ですよ」と返す黒木先生。

「海上中学という私立校の鉄道研究部が作ったジオラマです。
(現実社会の海城中学と名前ほぼ一緒ですね~)
海上中の鉄研は全国鉄道模型コンテストの常連出場クラブです。」

「中学生・・・。
海上中なら部活でこんなことができるの?」

「海上中だけではありません。
鉄研のある学校のパンフをお持ちしました」

パンフを見ながら興奮するたくみくん。
「これさっきの学校。
ここなら総武線で通えるじゃん。いいなあ。これだと新宿経由で山手線。
井の頭線で一本。ここは中央線ですぐだから、つまんないな。
九段下から東西線で乗り換えなし、これもちょっと。
この学校は井の頭線で渋谷まで出て、山手線で目黒乗り換えの東急目黒線!」

「 皆さんだいたい1時間くらいなら通ってます。
今、見た感じだとたくみ君。遠い学校でも全く平気そうですよ。

それと、もう一点。たくみ君には男子校の方が絶対にあいます。
その理由は、鉄道など文化系よりの部活は正直女子の目がない男子校の方がのびのびと活動できる
男子校こそ異性の目を気にせず、好きな事を中学から思いっきりやることができます。

「でも、そもそも今日伺ったのは受験を辞めたいっていう・・・」と、戸惑うお母様。


「地元の中学に鉄研はないっぽいなあ。
ママ、鉄研がある学校ってどんななのか見てみたい」


「とりあえず改めて興味を持った学校を見学して、それから辞めるかどうか決めても遅くはないのでしょうか?」と黒木先生。

「でも、先生。この子の前で言うのもなんですが、これだけ勉強についていけないのを見ると、やはり中学受験には向いてないのかなって」

「それは違います。
社会の成績、点数だけ見ると平均に満たず偏差値40。
地理分野のみ8割方正答してます。鉄道好きの子は地理に強い
そしてこれだけの記憶力があるなら、興味やモチベーションを保ちさえすれば、飛躍的な成績の伸びが期待できる。
非常に面白いことに算数でも、旅人算や速さの問題はとれてたりする。
なので、たくみ君は受験に向いてないとは思いません。

ただ、たくみ君だけの問題でなく、お母様。
私はお母様こそ、お疲れなのではと思いました。
辞めるなんてもったいない。もう一度頑張ってみませんか?」

「でも、たくみ本当に電車通学なんて大丈夫なの ?
毎日のことだし満員電車は疲れるよ?」

「超余裕。
一本で行けるとか物足りない。2回くらい乗り換えたい」と笑う二人。

「では、小6受験コースご継続ということで」丸く収める黒木先生。

「上位校のパンフばっかり渡して。
持ち偏差どれだけ足りないのか分かっててやってんのか?
でかい夢持たせて、塾につなぎとめても、最後にボロが出るぜ。
あの生徒これからどうするつもりなんだよ?」と講師室で話す先生たち。

「まあまあ。でも、毎年必ず出るミラクル下剋上系。
特に男子最後まで本当に分からない ですよ」と、かつら先生。

塾あるある⑧ ミラクル下克上って本当にあるの?

春に偏差値が低かった生徒が1~3月に大幅な偏差値アップの学校に入る。
中学受験や大学受験では確かにあります。
全員が全員そうなりとは限らないのですが、なにが起こるか。
分からないのが受験です。

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